平成3年から平成12年までの所得率の推移をグラフ4にした。
所得率(%)=経営所得/売上高×100
所得率は売上高に対する経営所得となることから、経産牛1頭当たり経常所得および売上高の推移を同時に示した。経常所得については、平成6年の142,708円までだんだん高くなっていくが、それ以降低迷している。しかし、平成12年は143,446円まで一気に上昇した。売上高については、生乳の生産者価格および子牛の販売価格が影響することから、平成6年以降の生産者価格の引き下げが原因と考えられる。平成12年については、グラフを見る限り経産牛1頭当たりの産乳量が伸びたことと流通飼料の価格が低かったことにより売上高が伸びたと考えられるが、経産牛1頭当たりの産乳量については後にしたい。所得率は平成6年の16.5%が最も高くなり、以後低迷してきたが、平成12年に15.8%まで回復した。これについて、一過性のものかの判断は平成13年の結果を待ちたい。しかしながら、今後の経常所得については、経営規模の拡大傾向の中で流通飼料の依存割合が高まることが予想され、購入飼料費の増加が所得率を下げることが予想されるが、所得率が低くても規模により所得が確保されれば良いのだから、所得率を指標とする重要性が薄れつつあると考える。 |