平成12年度の経産牛1頭当たり乳量は、農林水産省生産局のデータによると北海道が7,382kg、都府県が7,417kgとなり、従来とは逆に都府県が北海道を上回ったようである。この原因については、今年の北海道の夏場の暑さの影響で、前年に比べ北海道の経産牛乳量が減少したことによるとの話である。よって単年度のことであり、再び北海道が優位にたつとの見方が有力である。乳牛の改良状況については、農林水産省生産局によると、全国統一のフィールド方式による後代検定が開始された昭和59年度から平成12年度までの16年間に、経産牛1頭当たり北海道が約2,000kg、都府県が約2,100kg増加している。これを年平均でみると北海道が約124kg、都府県が約134kg増加したことになり、乳牛の改良が順調に進んでいるとしている。
次に生乳生産量、農家戸数、飼養頭数について全国並びに県内の状況をグラフ1、2、3でみることにする。このグラフは平成元年を100とした時系列の推移で示している。まず、生乳生産量については、平成12年をみると全国が105.5、県内が91.9となり、県内は平成の中で最も低い結果となったが、全国をみるかぎり十分な生産量を維持していることが分かる。農家戸数については、平成12年をみると全国が50.1、県内が62.3となり、県内の戸数の減少は全国よりも緩やかに進みながら約6割の戸数になった。飼養頭数については、平成12年をみると全国が86.9、県内が76.2となり、戸数とは逆に全国に比べて、より減少が進んでいることが分かる。
以上の結果をみると、全国の生乳生産量については、乳牛の改良や飼料の給与方法等が進んでいることから、後継者がいない農家等の自然減を補っていることが分かるが、県内のように農家減少に比べ飼養頭数の減少が急激に進んだ状況では、生乳生産量を平成元年並に回復させることは非常に難しいようである。しかしながら、今後県内の生乳生産量を回復させるためには、後継者の確保の推進、規模拡大による平均頭数の増加、牛群検定の普及による固体の産乳能力向上等を図る必要があると考える。 |