酪農経営

肉用牛経営

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はじめに

 戦後間もない昭和30年代から、農業の選択的拡大の花形として重要視された畜産、とりわけ肉用牛はそれまでの役用から肉用に転換し、和牛が主体となっていたが、昭和50年代になり消費の多様化の中で、これまで活用されなかった乳用種の雄の肉資源としての活用が定着し、大規模乳用種肥育一貫経営が出現してくる等国民的な牛肉指向に支えられ、比較的に順調に伸びてきたが、60年代に入り輸入攻勢の激化と子牛価格・枝肉価格の低迷から累積負債の解消による経営再建のための畜産特別資金の貸付けが始まる等、経営環境の厳しい時代の幕開けであった。
 そして平成3年からのこの10年間の状況は、まず牛肉の輸入自由化から始まり平成8年の病原性大腸菌O−157、12年3月の口蹄疫の発生等かって発生を見ないか、ほとんど絶滅しているかに見えた疾病が次々現れ生産現場に大きな影響を与えて来た。
 一方、飼養農家戸数は、平成12年116,500戸で10年前の平成3年に比べ55.4%と大きく減少しており、現在もその傾向が続いている。その主たる要因としては、潜在的な飼養者の高齢化と後継者不足であるが、一方では、輸入自由化の増大による枝肉価格の低迷、子牛価格の低下が上げられる。特に、平成4年から7年、10年が多く、平成10年で輸入自由化前の約2倍の輸入量に達している。また、飼養頭数では平成12年2,823千頭で平成3年に比べ97.4%となり、肉用牛経営の専業化が進むとともに、一戸当たりの飼養規模は年々大きくなってきていることが伺われる。
 しかし、長引く景気低迷による消費の減退と輸入攻勢による低価格指向、更には糞尿処理等の環境整備等から経営環境は厳しく、そのため子牛価格や肥育価格等の補填金交付事業により経営支援対策が行われているが、近づくWTO交渉での行方が注目される。
 特に、ここ10年間の各種疾病の発生は、牛肉の自由化と時を同じくしており、この事は防疫体制の強化と、食の安全性を確保する事が必要であることを如実に物語っている。


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1.県内飼養戸数と
飼養頭数の推移