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はじめに

 数字的に良く判明した過去10年間における養鶏経営の診断結果について、その推移や平均値、傾向等について検討します。
 農家戸数は環境問題や先行き不安による後継者不足等により、10年間で120戸から70戸へと41.7%も減少し、成鶏飼養羽数も290万羽から220万羽へと24.1%も減少しています。
 しかし、1戸当たりの成鶏飼養羽数は24,350羽から31,514羽へと29.4%も増加し、毎年少しずつ規模が大きくなっています。
 この10年間の推移を見ますと、小規模で自家販売する農家と、20,000羽以上を飼養する農家に分かれつつあり、その中間の飼養層は減少傾向にあると考えられます。
 自家販売の場合の卵価は高く販売出来ますので、小規模でもある程度の所得は確保出来ますが、原卵出荷で採算ベースに乗せるためには、ある程度以上の羽数が必要になってきます。
 技術的な項目では明らかに上昇傾向が見られ、卵の生産量(重量)で収入増を図る経営体質から、卵の品質を重視する時代への移行が推察されます。
 これは、生産性の向上を図るための施設改善への投資も積極的ですが、平成11年の環境三法が決定してからは、環境保全への投資も積極的に対応されていることにも現れています。
 また、飼養管理の向上も大きく、鶏そのものの改良も伴って1羽当たり飼料給与量はこの10年間に、2〜3kgも減少し、飼料要求率も大きく向上しています。
 この10年間の収益性については、鶏卵1kg当たりの販売価格の動向が激しくて安定せず、高値と安値の差が1kg当たり84.2円と大きくなり、平成4年と5年は赤字経営が多くなっています。しかし、卵価が回復した平成8年以降は、平均10〜20%の所得率で順調に推移しています。


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の推移